20代の転職、「不満があっても現状維持」が3割超。調査で見えた「転職をためらう理由」の実態

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20代の転職、「不満があっても現状維持」が3割超。調査で見えた「転職をためらう理由」の実態
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佐藤 智春
転職5回の元人事・Webマーケティング歴10年。実務と実体験の両面から、あなたの意思決定に役立つキャリアの視点を発信しています。

ワークポップでは、転職を考えたことがある20代(20-29歳)の人を対象に、転職に関する意識調査を実施しました。

調査の結果、20代が転職を考えるきっかけとためらう理由の間に大きなギャップがあることが明らかになりました。

20代が転職を考えるきっかけとためらう理由

転職を考えるきっかけは「現状への不満」

20代で転職を考えたことがある人に、転職を考えるきっかけを尋ねた結果、現状への不満が主な動機となっていることが明らかになりました。

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転職を考えるきっかけとしてもっとも多かったのは「仕事のストレス」で47.2%、次いで「年収への不満」が43.8%と続きます。3位は「将来への不安」で33.7%、4位は「職場の人間関係の悪化」で28.7%、5位は「やりがいのなさ」で25.3%となりました。

これらの結果から、20代が転職を考える主なきっかけは、現職における具体的な不満や不安であることが分かります。とくに、仕事のストレスと年収への不満が約半数近くを占めており、現状への強い不満が転職を検討する大きな動機となっていることがわかります。

転職をためらう理由は「心理的障壁と不確実性への不安」

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転職をためらう理由としてもっとも多かったのは「とりあえず現状維持してしまう」で33.7%、次いで「転職活動が面倒くさい」が27.5%、3位は「転職に失敗するのが怖い」が27.0%となりました。4位は「新しい職場の人間関係を築くのが不安」で25.3%、5位は「転職する勇気が出ない」で21.3%と続きます。

これらの結果から、20代が転職をためらう理由は、現状維持への心理的傾向、転職活動そのものへの負担感、そして転職後の不確実性への不安が主な要因であることが分かります。とくに、「とりあえず現状維持してしまう」が最も多いことから、現状への不満があっても、変化を避けたい心理が働いているようです。

転職活動の面倒さは「具体的な作業への負担感」

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転職活動のどの部分が面倒だと感じるかについて、もっとも多かったのは「履歴書・職務経歴書の作成」で56.7%、次いで「面接の準備・練習」が55.6%となりました。3位は「企業研究(会社の情報収集)」で28.7%、4位は「転職エージェントとのやり取り」で26.4%、5位は「書類選考への応募作業」で25.8%と続きます。

これらの結果から、転職活動における面倒さは、主に書類作成や面接準備などの具体的な作業への負担感に起因していることがわかります。とくに、履歴書・職務経歴書の作成と面接の準備・練習が半数以上を占めており、これらの作業は転職活動における主要な障壁となっています。

転職活動を後押しする要因は「年収アップとワークライフバランスの改善」

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転職活動を後押しする要因を見ると、経済的なメリットと働き方の改善への期待が主な要因となっています。もっとも多かったのは「年収アップの可能性」で62.4%、次いで「ワークライフバランスの改善」が43.3%となりました。3位は「労働環境の改善(残業時間の減少、休暇取得など)」で32.6%、4位は「やりがいのある仕事ができる可能性」で32.0%、5位は「キャリアアップの機会」で24.2%と続きます。

20代が転職活動を後押しする要因は、経済的なメリットと働き方の改善への期待が主な要因であることが分かります。「年収アップの可能性」は6割以上を占めており、経済的な動機が転職活動を後押しする重要な要因となっています。

20-24歳は「方法がわからない」、25-29歳は「年収への不安」が上位に

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年齢層によっても、転職をためらう理由に違いが見られました。

20-24歳の方が「転職活動の方法がわからない」を選ぶ割合が12.2%と、25-29歳の4.7%の約2.6倍高く、若年層ほど転職活動の方法に関する不安が強いことが明らかになりました。

一方、「転職する勇気が出ない」は年齢層による差はほとんどなく、勇気の問題は年齢に関わらず共通の課題であることが示唆されています。

転職をためらう理由、男性は「周囲の反対」、女性は「人間関係への不安」を重視

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性別による違いも明らかになりました。

20代の男性の方が「家族や周囲の反対がある」を選ぶ割合が7.1%と、女性の3.3%の約2倍高く、男性の方が周囲からの反対を感じやすい傾向があります。

一方、20代の女性の方が「とりあえず現状維持してしまう」(39.7%)、「新しい職場の人間関係を築くのが不安」(28.1%)を選ぶ割合が高く、女性特有の不安が浮かび上がりました。

転職行動との相関、矛盾した心理もみられる

転職経験がない人ほど「失敗するのが怖い」

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転職経験の有無によって、転職をためらう理由に明確な違いが現れました。

「転職に失敗するのが怖い」を選んだ割合は、転職経験がない人で30.0%、転職経験がある人で23.7%。未経験者の方が転職に対する不安が強い傾向が見られます。

同様に、「転職する勇気が出ない」を選んだ割合も、転職経験がない人で25.0%、転職経験がある人で18.6%と、未経験者の方が高い結果となりました。

一方、「転職活動が面倒くさい」は経験の有無に関わらずほぼ同じ割合(約27%)で、転職活動の面倒さは経験を積んでも解消されにくい課題であることが示されています。

15.2%の人が「年収アップ」を期待しながら「年収が下がる可能性」を不安に感じる

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今回の調査では、転職に対する矛盾した心理も浮き彫りになりました。

「年収アップの可能性」を転職活動を後押しする要因として選んだ人のうち、15.2%の人が同時に「年収が下がる可能性がある」をためらう理由としても選択しています。年収に対する期待と不安が同時に存在する、複雑な心理状態がデータから読み取れます。

また、後押し要因が明確な人(3つ以上選択)でも、実際に転職活動をしている人は13.6%と低く、後押し要因が明確でも行動に移せない人が多いことが判明しました。

これは、転職によって年収が上がる可能性がある一方で、逆に下がるリスクもあるという、不確実性に対する二面性を反映していると考えられます。

「転職を繰り返して経験を積む」理想の人の転職活動率は32.8%

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理想の働き方と転職行動の関係も興味深い結果となりました。

すでに転職活動中の人のうち、「転職を繰り返して、様々な経験を積む」という理想を持つ人は32.8%ともっとも高く、理想と行動が一致していることが分かりました。

一方、「プライベートやワークライフバランスを最優先する」という理想を持つ人の転職活動率は15.6%と低く、ワークライフバランスを重視する人は転職活動そのものに消極的な傾向があります。

興味深いのは、「一つの会社で長く働き、安定を重視する」という理想を持つ人の転職活動率が30.4%と高いことです。安定を重視する人でも、現在の職場に不満を感じた場合、より安定した職場を求めて転職活動を行うことを示しています。

転職活動でもっとも面倒だと感じるのは「履歴書・職務経歴書の作成」

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転職活動のどの部分が面倒だと感じるかについても調査しました。

もっとも多かったのは「履歴書・職務経歴書の作成」で56.7%。次いで「面接の準備・練習」が55.6%、「企業研究(会社の情報収集)」が28.7%となりました。

すでに転職活動をしている人でも、面接の準備・練習(52.4%)や履歴書・職務経歴書の作成(59.5%)を面倒と感じる人が多く、これらの作業が本質的に時間と労力を要するものであることが改めて示されました。

転職エージェントを利用している人でも、「転職エージェントとのやり取り」を面倒と感じる人が27.8%と多く、エージェントを利用していてもやり取り自体が負担になっている可能性があります。

現職に不満があっても「現状維持」を選ぶ人が36.0%

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現職満足度と転職行動の関係では、転職行動における「不満の閾値」の存在が示唆されました。

現職に不満を感じている人(不満群)でも、「とりあえず現状維持してしまう」を選ぶ人が36.0%と高く、不満があっても転職への心理的ハードルが高いことが分かります。

満足群と不満群でためらう理由の平均個数に大きな差がない(満足群:2.2個、不満群:2.3個)ことも、転職への心理的障壁が満足度とは独立して存在することを示しています。

現状への不満が転職を後押しする要因にはなるものの、転職をためらう理由を解消する直接的な要因にはならないということです。

まとめ

今回の調査では、20代で転職を考えたことがある人を対象に、転職をためらう理由とその背景を分析しました。

転職活動を始めると、実際の作業量の多さや、面接の準備や書類作成などの具体的な作業に直面することで、「転職活動が面倒くさい」と感じる割合が活動していない人よりも高くなることが分かりました。しかし、活動中の人が選ぶ転職のきっかけを見ると、「仕事のストレス」や「年収への不満」など、現状への強い不満が共通しています。転職への動機が十分に強い場合、面倒さという障壁があっても活動を続けられることがデータから読み取れます。

また、転職未経験者は「転職に失敗するのが怖い」「転職する勇気が出ない」など不安が強いことが分かりますが、転職経験がある人でも一度は同じ不安を抱えていたはずです。一度転職を経験すれば、転職という行為そのものへの恐怖は薄れるでしょう。

現職に不満を感じている人でも「とりあえず現状維持してしまう」を選ぶ人は多く、不満があるにも関わらず転職への心理的ハードルが高いことが分かります。「仕事のストレス」や「年収への不満」などの動機が高まるのを待っていては、疲弊したりキャリアアップの機会を逃してしまう可能性があります。まずは小さな一歩を踏み出すこと、そして転職への動機を明確にすることが重要ではないでしょうか。

調査概要

  • 調査実施日:2026年1月13日
  • 調査対象:20代(20-29歳)で転職を考えたことがある人
  • 回答者数:178人
  • 調査方法:WEBアンケート
  • 調査方法データ:Googleスプレッドシート

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