週末、たっぷり寝たはずなのに月曜の朝がつらい。家から一歩も出ずに休んだのに、なぜか疲れが抜けていない。そんな感覚に覚えがある人も多いのではないでしょうか。実はこの「休んだ気がしない」という感覚の正体は、“脳の疲れ”にあると言われています。
体は横になっていても、頭の中では仕事のこと、将来の不安、SNSでの情報収集など、無意識に処理し続けているタスクが山積み。特に現代人は、スマホを手にしている時間が長く、脳がリラックスする隙間がないまま、休日が終わってしまうのです。
つまり、体の休息だけでは「休んだ」とは言えない時代になっているのかもしれません。

「ちゃんと休まなきゃ」が逆にプレッシャーになっている
意外と多いのが、「せっかくの休日だから充実させなきゃ」「何か有意義なことをしないと」と、無意識に“理想の休日”を演出しようとしてしまうケース。結果として、予定を詰め込みすぎたり、やりたかったことを達成できずに自己嫌悪に陥ったりと、本末転倒な状態になりがちです。
また、「何もしない=怠けている」という価値観が根強い社会では、ただボーッと過ごすことにも罪悪感を覚えてしまう人も多いでしょう。でも、本当に休息が必要なときほど、“何もしない時間”は意味ある選択肢になるのです。
“本当の休息”は「がんばらない時間」から生まれる
がんばって休もうとする。その矛盾に気づいたとき、休息の本質が見えてきます。心身をリセットするには、まず“がんばることをやめる”こと。スマホやSNSから少し離れ、外の情報ではなく、自分の内側に目を向けてみましょう。
たとえば、静かな場所で好きな音楽を聴く、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、何も考えずに空を眺める…。それは「何かをする」ことではなく、「無意識の安心」を増やす行動です。

自分だけの“休み方”を知っている人は強い
心が本当に休まる方法は、人によって違います。誰かにとって効果的なリフレッシュ法が、あなたにとっても同じとは限りません。大切なのは、「これをやるとちょっと落ち着く」「気持ちが軽くなる」と自分が感じる瞬間を集めておくことです。
香りのするキャンドル、間接照明、お気に入りの飲み物、静かなカフェ…。そんな“小さな安心アイテム”が、あなたの心を守る盾になります。自分に合った休み方を持っている人は、疲れをため込まずに回復する力も自然と高まるのです。
休めない自分を責めないで
「せっかくの休日なのに何もできなかった」「もっと充実させたかった」と、自分を責める気持ちが湧いてしまうこともあるでしょう。でも、忘れないでほしいのは、「休むことにだってエネルギーがいる」ということ。
これまで頑張ってきたからこそ、疲れが溜まっている。まずはその事実を認めてあげることが、あなた自身への優しさです。休めない日があってもいいし、回復には時間がかかってもいい。「休み方を練習している途中なんだ」と思えば、それだけで気持ちは少しラクになります。
頑張りすぎたあなたが、自分自身に「ちゃんと休んでいいよ」と言ってあげる時間。それが、“本当の休息”の始まりかもしれません。