朝起きて、会社へ行って、仕事して帰る。何となく日々をこなしているけれど、ふとした瞬間に「この先、どうなるんだろう」と不安になることはありませんか?特に20代後半に差し掛かる頃、キャリアや人生についての“答え”が見つからず、立ち止まってしまう人は少なくありません。
多くの人が抱くこの「将来が見えない」という感覚には、明確な“間違い”はありません。それは今の自分と、理想との間にあるギャップを感じているからこそ出てくる、ごく自然な感情です。
周囲と比較して焦ったり、SNSで「キラキラした誰か」を見て劣等感を抱いたり。20代は、選択肢が多いからこそ迷い、また変化の多い時期でもあるからこそ、迷いは尽きません。
不安の正体は社会人3〜5年目に起きる“ギャップ”
入社して3年ほどが経つと、ある種の“現実”が見えてきます。新卒時代の理想や勢いが落ち着き、仕事の裏側や制度の限界、評価制度への違和感など、社会のシステムの粗が見えてくるのもこの時期。
同時に、責任ある立場を任されはじめる一方で、「このままここで何年も働くのか?」「昇進や出世が本当に自分の目標なのか?」と、自分のキャリアに対する疑問が浮かびます。ここで起きているのは、社会の価値観と自分の価値観の“すれ違い”です。
このギャップを抱えたまま走り続けると、燃え尽き症候群やモチベーションの低下にもつながります。今こそ、自分の感情に正直になってみるべきタイミングかもしれません。
選択肢が多すぎて動けない時にすべきこと
「何がしたいか分からない」「興味はあるけど、一歩踏み出す勇気がない」そんな声はよく聞かれます。現代は情報社会。副業、フリーランス、リスキリング、移住、起業…。無数の選択肢にさらされている私たちは、“選ばなきゃ”というプレッシャーだけを抱えて、かえって行動できなくなってしまうのです。
そんなときは、まず「行動」ではなく「整理」から始めましょう。たとえば、以下のような問いを紙に書き出してみるのがおすすめです。
- これまでに“ちょっとでも楽しい”と感じた瞬間は?
- 逆に“絶対にやりたくない”と感じたことは?
- 日常でつい読んでしまう記事や見てしまう動画は?

感覚ベースで自分を知ることは、思っている以上に重要です。
“納得できる人生”を歩む人の思考パターン
「やりたいことをやってる人は、最初から明確な目標を持っていたんだろうな」と思うかもしれません。でも実は、“納得できるキャリア”を歩んでいる人の多くは、常に「仮説と実験」を繰り返しています。
彼らの共通点は、「まずはやってみる」姿勢と、「続けるかどうかは途中で決める」柔軟さ。たとえば、ちょっとした副業を始めてみたり、ボランティアや習い事に参加したりと、軽いフットワークで動いています。
いま何かを完璧に決める必要はありません。大事なのは、“迷っている状態”を前提に行動できるマインドセットを持つことです。
他人と比べず、自分軸でキャリアを考えるには
SNSや同期の活躍を見て、「あの人は順調なのに…」と落ち込む気持ちは、誰にでもあるものです。でも、見えているのは“他人の一面”であり、その人の悩みや迷いは映っていません。
自分軸を持つには、「私は何が大切だと思っているか?」「どんな一日が心地いいと感じるか?」という内省が必要です。スキルや資格以前に、“どう生きたいか”を明確にすることが、自分軸の最初の一歩になります。
不確実な時代に、迷いながら進む力を育てる
将来が見えないと感じるのは、“将来が見えづらい時代”に生きているからでもあります。10年前にはなかった職業が生まれ、正社員だけが正解でない働き方も増えました。だからこそ、“迷っている自分”を否定せず、どう進むかを一緒に考えてくれる人や環境を持つことが大切です。
相談できる相手を探すのもひとつ。キャリア相談、信頼できる友人、あるいは副業コミュニティなど、「対話できる場」を持つだけで、迷いが整理されていきます。
迷いは、未来を考えている証拠です。悩んでいる時間そのものが、次のステップへの準備期間だという視点を持って、焦らず、自分のペースで進んでいきましょう。