「転職、失敗だったかも…?」20代女性が“後悔”を感じたときに読む話

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「転職、失敗だったかも…?」20代女性が“後悔”を感じたときに読む話
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小川 詩織
美容業界での人事経験を活かして、未経験やキャリアに自信がない方の転職を全力でサポートさせていただきます!

「転職して後悔してるかも」
——そう感じたとき、まず心に留めておいてほしいのは、それが“あなた一人の問題ではない”ということ。20代での転職は、キャリアの第一歩からまだそれほど遠くないタイミングでの大きな選択。理想と現実のギャップが浮き彫りになりやすい時期でもあります。

「もっと成長できると思った」「人間関係は前よりマシだと思った」「やりがいがあると思ったのに、逆に空っぽに感じる」といった後悔の声は、むしろよくあるものです。

大切なのは、そうした感情を否定せず、「自分が感じた“違和感”に気づけている」こと自体を肯定すること。誰もが、すべてが完璧な職場を選べるわけではありません。でも、そのなかで“モヤモヤ”に敏感になれる力こそが、次の一歩をより良くする種になるのです。

なぜ「転職を後悔」するのか。“期待”と“現実”のギャップ

多くの場合、後悔は“理想と現実のズレ”から生まれます。転職活動中、企業サイトや面接官の話、口コミなどから得た情報をもとに、「ここなら自分に合いそう」と判断したはずなのに、いざ働きはじめると「思ってたのと違う」と感じてしまう。これは珍しいことではありません。

たとえば、「裁量の大きい仕事」と聞いていたのに、実際は放任に近かったり。「風通しのいい社風」と書かれていたのに、声を上げると“浮いた存在”になる文化が残っていたり。転職先のすべてを、事前に見抜くことは正直難しいのです。

重要なのは、「自分が何に期待していたのか」「どこが想定外だったのか」を丁寧に分解すること。違和感を“見える化”することで、自分にとっての「仕事選びの軸」が少しずつ明確になっていきます。

“失敗”ではなく“通過点”ととらえる視点

後悔は、“間違った選択をしたから”だけではなく、“変化を受け止めきれていない自分”に対する苛立ちから来ることもあります。新しい環境で成果が出せない焦り、同僚との距離感、前職との比較……。そうした葛藤のなかにいるときこそ、「ここで感じているモヤモヤは、自分が前に進んでいる証拠かもしれない」と考えてみてください。

そもそもキャリアは、一本道ではありません。試行錯誤しながら、自分にとっての“納得できる働き方”を探っていくプロセスです。転職して初めて気づけた「本当に大事にしたいこと」があるなら、その気づきこそが収穫。「後悔しない転職」に近づくための大切な材料です。

「もう一度転職すべき?」迷ったときに立ち止まって考えたいこと

後悔を感じたとき、「このまま我慢して働き続けるべきか」「また転職してもいいのか」と迷うのは当然のことです。そこで考えてほしいのは、次の3つの問いです。

  • 1. 今の職場で、変えられそうなことはあるか?
  • 2. どうしても受け入れられない要素は何か?
  • 3. 自分が本当に“ラクになれる”環境とは、どんなものか?

これらを紙に書き出してみることで、気持ちが整理され、「どうすればいいか」が見えてくることがあります。無理に答えを出そうとしなくて大丈夫。大切なのは、自分の本音と向き合ってみること。その姿勢が、次の選択の質を上げてくれるはずです。

後悔しないキャリアのために、「自分を主語に」して考える

他人の意見、SNSにあふれる“理想的な転職ストーリー”、親や周囲の期待。それらに流される形で選んだ転職は、どこかで違和感として戻ってくることがあります。だからこそ、自分自身の言葉で、「なぜ働くのか」「どうなりたいのか」を考え直す時間を持つことが大切です。

「この転職、失敗だったかも…」と思っているなら、それはチャンスです。“自分の価値観”という軸を探すタイミングかもしれません。職場は変えられても、自分を一番長く支えるのは“自分の意思”です。自分を主語にして働き方を見直す——それが、20代で感じた後悔を、未来の糧に変える鍵です。