「このままでいいのかな…」が頭をよぎった夜に読む、“今の仕事に違和感”ある人の処方箋

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「このままでいいのかな…」が頭をよぎった夜に読む、“今の仕事に違和感”ある人の処方箋
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小川 詩織
美容業界での人事経験を活かして、未経験やキャリアに自信がない方の転職を全力でサポートさせていただきます!

ふと、仕事終わりにコンビニでお茶を買って帰る夜。家のソファでひと息ついた瞬間、なんとなく頭の中によぎるこの言葉。

「このままでいいのかな…」

深刻なトラブルがあるわけじゃない。でも、満足してるかと聞かれたら、胸を張って「はい」とは言えない。そんな“名前のつけられないモヤモヤ”を抱えている人は、決してあなただけではありません。

“なんとなくしんどい”は立派なサイン

「辞めたい理由が明確じゃないから、自分の甘えかも」「周りはもっと頑張ってるし、これくらい普通なんじゃ…」

真面目な人ほど、こうして自分の気持ちにフタをしてしまいます。でも、はっきりとした“理由”がなくても、「しんどい」と感じるなら、それは大切なサインです。

人は環境やフェーズが変わるたびに、“違和感”を感じるタイミングがあります。例えば、入社3年目以降は、初期の学びや刺激が落ち着き、惰性や物足りなさを感じやすい時期。それに気づかず無理を続けると、「何がしんどいのか分からない疲れ」に変わっていきます。

キャリア迷子が抱える“5つのぼんやりモヤ”

「辞めるほどじゃないけど、今のままはイヤ」。そんな状態にいる人が抱えがちな、典型的な“モヤモヤ”を言語化してみましょう。

以下のように「満足度」に置き換えてみるとわかりやすいかもしれません。

  1. 成長実感がない:同じことの繰り返しで、スキルが伸びてる気がしない
  2. 評価の基準が不明:何をどう頑張ればいいのか分からず、不安になる
  3. 人間関係で気を使いすぎる:雑談も緊張、飲み会も疲れる
  4. やりがいと給料が釣り合わない:「報われてない」と感じる
  5. 仕事に“好き”がない:嫌いではないけど、心が動かない

こうした“モヤ”を抱えている人の多くが、「こんなことで悩む自分が弱い」と思い込んでいます。でも実は、それだけ丁寧に、真面目に仕事に向き合ってきた証拠でもあるんです。

“違和感”の正体をつかむ3ステップ

「しんどいけど、何がつらいか分からない」そんな状態を抜け出すには、自分の気持ちを分解する作業が必要です。難しく考える必要はありません。以下の3つのステップでOK。

  1. 感情ログ:しんどかった瞬間の出来事を記録
  2. 感情言語化:「焦り」「不信感」「孤独」などに変換
  3. 時系列整理:昔はどうだったかと比較し、今の変化を見つける

こうして言葉にしてみると、「自分が何に反応しているのか」が少しずつ見えてきます。それが、“違和感”という名の正体です。

転職しなくても、今すぐできる小さな行動

ここで勘違いしがちなのが、「違和感=転職」という短絡的な結論。もちろん転職も選択肢の一つですが、すぐに決断する必要はありません。

まずは、「自分の働き方を見直す」小さな行動から始めてみるのがオススメです。

  • チームや部署の異動を希望してみる
  • 副業やボランティアで外の世界に触れてみる
  • キャリア相談や勉強会に参加する
  • 「こういう働き方をしてみたい」と紙に書いてみる

大事なのは、「自分にも選べることがある」と思い出すこと。その感覚が戻ってくると、不思議と行動力も湧いてくるものです。

“今の自分”を変えるヒントは、すでに心の中にある

私たちは迷ったとき、つい「外」に答えを求めがちです。転職サイトを見たり、SNSで他人のキャリアを眺めたり。でも、本当に大切なのは、“自分の中にあるヒント”をすくい上げること。

違和感を感じるということは、「こうありたい自分」と「現実」とのギャップがあるということ。つまり、そのズレこそが、今のあなたが本当に望んでいる働き方を教えてくれているのです。

たとえば、

  • ルールや縛りに息苦しさを感じるなら → 裁量のある働き方が向いている
  • ずっと同じ業務に飽きを感じるなら → 変化や挑戦がモチベーションにつながる
  • 人間関係で気を使いすぎるなら → 小さな組織やリモート環境が合うかもしれない

「不満」という言葉で一括りにしていたことも、少しずつ分解していくと、理想の形が浮かび上がってきます。

「迷ってる=間違い」じゃない

決断できない自分にイライラしたり、迷っている自分を「優柔不断だ」と責めたことはありませんか?

でも、迷っているということは、ちゃんと向き合っている証拠です。本当の自分を知ろうとしている。だからこそ、時間がかかるのも、すぐに決められないのも、当たり前。

むしろ、勢いだけで動く方が危険なときもあります。

焦らず、立ち止まりながらも“言葉にすること”を続けること。それだけで、自分のキャリアに責任を持とうとしている証です。

“選ばれる側”から“選ぶ側”になるキャリア視点

就活や新卒入社を経験してきた私たちは、どうしても「選ばれること」に慣れすぎています。でも、キャリアって本当は、“自分が選ぶもの”なんです。

  • 「私はこういう働き方をしたい」
  • 「私はこういう価値観の人と働きたい」
  • 「私はこういう軸で職場を選ぶ」

そんなふうに、自分の“選ぶ軸”を持つだけで、迷いの中でも、少しずつ方向が定まっていきます。

自分を整える時間を、“前に進む一歩”と呼ぼう

今の仕事に違和感があっても、すぐに転職しなくていい。環境を全部変えなくてもいい。まずは、“心のメンテナンス”をして、自分の声を聞き直してみること。

  • 感情を記録してみる
  • モヤモヤを言葉にしてみる
  • 小さく「行動」を起こしてみる

この“整理する時間”そのものが、実はあなたの前進であり、これからのキャリアの“土台”になります。

違和感は、あなたの人生に必要な「きっかけ」かもしれない

「このままでいいのかな…」そう思ったあの日のあなたは、未来の自分からのサインを受け取っていたのかもしれません。

今はまだ答えが出なくても大丈夫。焦らなくていい。ただ、無視はしないでください。それが、自分自身を大切にすることの第一歩だから。