「働くのが怖い」と感じるあなたへ。“怖さ”の正体と向き合う5つの視点

column
「働くのが怖い」と感じるあなたへ。“怖さ”の正体と向き合う5つの視点
writer
小川 詩織
美容業界での人事経験を活かして、未経験やキャリアに自信がない方の転職を全力でサポートさせていただきます!

「働きたいのに、どうしても怖い。」そんな感情を抱えている人は、意外と少なくありません。中には、「そんなの甘えだ」「みんな頑張っている」と言われて、さらに自分を責めてしまう人もいるでしょう。しかし、その“怖さ”には理由があります。過去のトラブル、人間関係の傷、あるいは心が疲れきってしまった経験…。それらが心に深く残り、「もう同じ思いをしたくない」という防衛反応として表れているのです。

「自分が弱いから働けないのでは?」という不安も理解できます。でも、それは決して弱さではなく、“あなたを守るための感情”だということに、まず気づいてあげてください。

怖さの裏にある3つの“未消化”とは

働くのが怖いと感じるとき、その背景には大きく3つの「未消化な感情」が潜んでいることがあります。1つ目は“過去のトラウマ”。いじめ、パワハラ、理不尽な扱いなど、職場での嫌な記憶は心に深く残ります。2つ目は“周囲の目”。長く働いていない自分を周囲がどう見ているかが気になり、社会に戻ることにブレーキがかかります。3つ目は“自信のなさ”。ブランクによってスキルや経験に自信を失い、「私にできる仕事なんてない」と感じてしまうのです。

このように、“怖さ”を丁寧に分解してみると、ただ漠然とした不安ではないことがわかります。理解できると、少しだけ心の距離が近づくものです。

「働けない」じゃなくて「今は怖いだけ」

一歩踏み出せない自分を責めると、ますます動けなくなってしまいます。でも、“今は怖いだけ”という事実に言葉を置き換えることで、心の余白が生まれます。働けない自分を否定するのではなく、「まだ準備中なだけ」と捉えること。それだけで、焦燥感や自己否定から少しだけ距離が取れるようになります。

心のコンディションは、見た目ではわかりません。無理に頑張って、あとから強く反動が来ることもあります。「動きたいけど動けない」ときこそ、自分の心のペースを尊重してあげることが、回復への第一歩なのです。

安心して働ける場を探すためにできること

「働く=正社員でフルタイム勤務」というイメージに縛られていませんか? いきなり重たい環境に飛び込むのではなく、自分に合った“慣らし方”から始めるのも大切な選択です。たとえば、短期の単発バイトや在宅ワーク、副業、小さな習い事を通じた活動など。報酬ではなく“社会とつながる感覚”を思い出すことが目的なら、やり方はいくらでもあります。

「ここなら安心していられそう」という感覚を重視して、小さな成功体験を積み上げることで、少しずつ心も身体も社会に慣れていきます。

“もう一度、働く”ための心のリハビリ

再スタートには、技術やスキルよりも「心の準備」が欠かせません。過去の経験を誰かに話してみる、自分の気持ちを紙に書き出してみる、カウンセリングを利用する…どれも“心のリハビリ”です。「なぜ働くのか」「何を大切にしたいか」という“自分の軸”が見えてくると、不思議と前向きな感情が湧いてきます。

傷ついた経験は、あなたの価値を下げるものではありません。むしろ、その経験を持っているからこそ、今度は“自分を大切にする働き方”が選べるのです。